2019年7月13日土曜日

第88話 米国 第7艦隊


米国第7艦隊は、東京湾の入り口 横須賀港を母港とする『世界最強の艦隊』である。
右図が第7艦隊のシンボルマークである。
旗艦は、揚陸指揮艦「ブルーリッジ」である。
担当海域は、国際日付変更あたりからほぼ太平洋全域とインド洋までの、極めて広い海域である。
下図の『7F』が、「担当海域」である。






















第7艦隊の主力艦は、空母『ドナルド・レーガン』である。
加圧水型原子炉(PWR)2基が推進機関である。排水量約10万トン。
第7艦隊の現在位置(2019年6月27日)は、ホルムズ海峡近く(外洋出口)のオマーン湾である。上図の『5F』の近傍である。

6月20日早朝、イランは米軍の「無人偵察機」をオマーン湾上空でミサイル攻撃で撃墜した。
イランは、「米機が領空侵犯」したと主張し、米国は「公海上」だったと主張している。
「際どい処だった」と了解する以外、解釈のしようがない。

私が不可解に思うのは、「第7艦隊」が上図『5F』のオマーン湾付近に停留を続けている事由である。
一応『イランに対する米国のプレッシャー』と考えてみることにする。
私のブログ『異論な話』第87話『イランと米国の確執』は、2019年5月20日付で公開済みである。
イランは米国の如何なる脅しについても、頑固に『NO』と言い張る国である。
米国トランプ大統領による「対イラン経済制裁」は2018年5月から行われている。

5F』は第5艦隊の担当海域である。
財政赤字に苦しむ米国にとって、第5艦隊の維持強化は出来ない話である。
当面実質的に第7艦隊の担当海域に加えて置けば簡単に解決される。
ここに至って、『第7艦隊』が5F』のオマーン湾に停留を続ける事由が『スッキリ』と私の腑に落ちる話となってきた。
要するに米国は、5F』の存在を曖昧模糊にしてしまう、魂胆らしい。
今後この地域で、「深刻な事態」が起こらない限り、「第5艦隊」の増強は有り得ないと決めたらしい。
「無人偵察機」の撃墜などは、「深刻な事態」ではなかった。

将来的には、5F』を『第7艦隊』の担当海域に含めれば簡単に解決されることになる。
と言う事で、『第7艦隊』は5Fに停留を続けます。


『第7艦隊』が5F停留して居れば、ホルムズ海峡経由の原油輸送路の安全は完璧に保証され、日本と諸外国の原油供給の不安は一掃される。

左図は、ホルムズ海峡の衛星写真である。
北側(上)が「イラン」であり、半島の突端が「オマーン」である。
半島の付け根は、「アラブ首長国連邦:UAE」である。
UAEは、東はオマーン湾に接し、西はペルシャ湾である。

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾岸諸国で産出する石油の搬出の出口である。
海峡の最狭部の幅は、約33km。
水深は、75 ~ 100m。


タンカーが運ぶ石油の量は「1700万バレル/日」程度で、日本に来るタンカーの約8割がホルムズ海峡を通過している。

今後とも『米国 第7艦隊』が、石油輸送の大動脈 5F』に停留し続けて、大動脈の安全に睨みを効かせて貰うことに、日本国民の一人として、私は大いに感謝している。

以上