2016年5月28日土曜日

負の投票権(ふの投票権)

投票権とは、通常『選挙権』と呼ばれている権利である。「参政権」とも呼ばれる。一般的には『被選挙人:立候補者』の中から、特定の人物を選んで投票できる権利である。
衆・参の議員選挙や都道府県の首長や議員選挙は、立候補者の中から特定の人物名を選定し、投票用紙に当該人物名を記載して「投票箱」に「投票用紙」を投入することによって投票権は行使される。この投票権を、正の投票権positive vote)と呼ぶことにする。

これと真逆に、絶対に当選させたくない人名に × 印を付ける投票権を、負の投票権negative vote)と呼ぶことにしたい。
正の投票権』は通常の選挙で使用されているが、『負の投票権』も極僅かな例ではあるが実際の選挙で使用されている。

衆議院議員選挙と併設して行われる、『最高裁判所判事の国民投票』である。『国民投票』と呼称し、信任させたい意図を露骨に示しながら、『負の投票権』を行使させている奇妙・奇天烈な選挙である。
従って、直接の選挙結果は無意味に近いが、統計学や人間工学において望外の示唆に富む教訓を与えてくれる事になっているのである。

2009年8月30日 衆議院議員選挙と最高裁判事の国民投票が行われ、『負の投票権』が行使された。投票の対象となった最高裁判事は9名であった。氏名の記載順は抽選の由である。投票結果の要約を以下に示す。
  • 1 票当たりの × 数は、平均「0.6 個 / 票」であった。
  • 投票者   6,700万人の大部分は、気まぐれに × を付けたと思われる。
  • 番号が若いほど× を付けられ易い
  • 番号が1 番進むごとに0.11%ずつ罷免要求率が低下する。
  • ③涌井紀夫氏⑥那須弘平氏には、70万人程度意図的に×を付けた。
ここで負の投票権の虚しさを言うのは、私の本意ではない。『負の投票権を生かせる正しい選挙方式』を本文で提案したいのである。

現在の投票権は、一般的には下記の方式で『正の投票権』のみが行使されている。
  • 投票者は、白紙の「投票用紙」に候補者名を1 名だけ記入する。
  • 投票者は、候補者名を記入した投票用紙を「投票箱」に入れる。
これを、『正・負の投票権を同時に行使できる方式 : Double Vote System』に改正するのである。
従来の方式では、一番信頼出来そうな人に投票することで、それなりに相応の安心感を得ていた。

改正案では、「あの人には、絶対に当選してもらいたくない」という気持ちにも積極的に対処できることになり、『精神衛生上 誠に好ましい』と思う。

また立候補者においても、「自分に対する世間の嫌悪度」を明示的に知ることができ、大切な反省材料とすることができる。

改正案の要点を下記に列記する。
  • 投票用紙には、予め全候補者名を印刷しておく。
  • 投票者は、〇の候補者と × の候補者を各1名選べる。
  • 該当者名に、〇・ × を付ける。
  • 1枚の投票用紙に、複数個の〇又は × がある場合、当該記号は無効とする。
  • 候補者の得票数は、〇を「+1」に、× を「-1」にカウントする。
  • 得票数の大きい人が当選する。
この選挙(正・負 投票権 同時行使 方式 :DVS)は、選挙が若干複雑になるのが最大の欠点である。
しかし一度この世界初の、先進的で素晴らしい選挙を行ってしまえば、各立候補者はそれぞれ『自分には〇を下さい。× は絶対に付けないで』と、有権者に選挙の仕組みを懇切丁寧に説明するのは必定である。
従って有権者も又、自ずからこの『正・負 投票権 同時行使 方式 :DVS』の良さを体感し、熟知することができ、問題点はほぼ解消されることになる。
ともかくこの世界一先進的な素晴らしい選挙制度を、日本国が世界に先駆けていち早く採用することを私は強く希望しています。

正・負 投票権 同時行使 推進党 :DVS党』でも作って、日本国中津々浦々の ありとあらゆる選挙を、改正して行きたい気持ちでいっぱいです。賛同者大募集中!。
以上