色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず
西暦10世紀末 ~ 11世紀中頃に成立した様である。
『いろは歌』に関する最古の文献は、『金光明最勝王経音義:大東急記念文庫所蔵』である。
全て平仮名書きにして47文字であり、重複なくすべてを使用し『意味深遠な』内容の七五調の文章を構成している。『いろは歌』の作者は、驚嘆すべき天才的な才能の持ち主である。
古来の学問の習得は『いろは』の習得から始められた様である。
三重県明和町の斎宮跡で土器の破片が発掘された。2010年である。
土器は平安時代11世紀末 ~ 12世紀前半(大略西暦1000年頃)の物である。
土器の破片の内外には、平仮名の墨書があった。
内側に「ぬるおわか」、外側に「つねなら」である。
『斎宮歴史博物館:三重県多気郡明和町竹川:三重県立博物館』では、斎王の女官が文字の勉強のため記したと推定している。
赤穂浪士47名が、主君の仇討と吉良上野介の館に討ち入ったのは、1703年1月3日である。
その後、人形浄瑠璃や歌舞伎の演題として、『仮名手本忠臣蔵』が持て囃された。
仮名文字は、47文字である。
使用されていないのは、『ん』の字だけである。
『ん』は、口を閉じたまま、鼻から発声することが出来る。
私が大学生であった頃、東北出身の友人と議論してた折、彼は「んだね~」と口を挟んだ。
私は最初は『そうだね!』と同意を得たと思ったが、真逆であった。
『んだね~」は、『そうではない』と言う、宣戦布告であった。強烈なアクセントが『んだ~ね』の、『ね』に付けられていた。
日本国の、自動車用ナンバープレートには、『ん』は、慣例として『不使用』とされている。
インドネシヤ・バリ島のデンバサール国際空港の正式名称は、(I Gusthi Ngurah Rai:イ・グスティ・ングラ・ライ)である。
日本で販売されている『医薬品』の名称は、『ん』で終わるものが滅茶苦茶に多い。
「正露丸」を始めとし、ロキソニン・リポビタン・パブロン・オクソラレン・オパイリン・ビオヘルミン・フコイダン・ポポン・アリナミン・…。
1903年 日本の或る新聞社(萬朝報)が、従来の仮名47文字に『ん』を加え48文字とし、48文字だけの作品を募った。1等~20等まで賞金を出すとした。
一等賞は、埼玉県児玉郡青柳村(現 児玉郡神川町)の坂本百次郎である。
とりなくこゑす ゆめさませ 鳥啼く声す 夢さませ
みよあけわたる ひんかしを 見よ明け渡る 東(ひんがし)を
そらいろはれて おきつへに 空色映えて 沖つ辺に
ほふねむれゐぬ もやのうち 帆船群れゐぬ 靄の中
『萬朝報:よろずちょうほう』は、1892年黒岩涙香(くろいわ るいこう:1862~1920)により創刊された。
一時は東京一の発行部数を誇り、最大発行部数は30万部となった。
新聞事業の功労により、彼は1915年「勲3等」に叙せられた。
肺癌で死去。
黒岩涙香の死去後、『萬朝報』は急速に経営が悪化した。1940年廃刊。
以上
中国語には、日本人には「ん」にしか聞こえないが、実際には、n と ng で表記される2つの発音があります。nは、鼻に息が抜けない「ん」、ngは鼻に息がぬけていく「ん」です。世界の言語からみると、日本語は発音では、かなり単純化されたもののように思いますね。外国語で発音が複雑というのが多い気がします。
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