- 任命後初めての衆議院選となる最高裁判事
- 衆議院選後10年を経過した最高裁判事(最高裁判事は高齢で任命されるのでこれは無意味)
日本の最高裁判事の信任投票については、『最高裁昭和27年2月20日(1952年)大法廷判決』(3頁)において、最高裁は最高裁に都合のいい判決を行っている。要点を下に示す。
- 信任投票は罷免の可否を判断する。
- 信任投票は任命の可否を判断するものではない。
- 白票は、「罷免する積極的意思なし」とする。
- 信任投票は、「罷免する積極的意思」の有無で決する。
- × 印以外の記号を書けば無効票となる。
- 審査公報では、事件名のみの記載で可。(個々の判事意見は不記載でよい)
2014年12月14日衆議院総選挙と共に「最高裁判事の信任投票」が行われた。信任投票結果を、下記に示す。
鬼丸かおる 木内道祥 池上政幸 山本庸幸 山崎敏充
× 印 4,678,087 4,861,993 4,855,670 4,280,353 4,786,184
無記入 46,138,768 45,954,803 45,961,112 46,536,351 46,030,604
無効票 720 779 793 871 787
投票総数 50,817,575
× 率(%) 9.206 9.568 9.555 8.423 9.418
無効票は、熊本県・福島県に特異的に多発している。
投票率とうは下記である。
- 有権者数 103,858,444(約1億人)
- 投票数 52,859,837
- 棄権者数 50,998,584
- 投票率 0.5090
- × 総数 23,462,287
- × /票 0.462
興味深いのは、1票当たりの× の数 である。0.462 だから、過半数が白票を投じたらしい。「過半数が棄権」したと考えるべきである。
一般的には名前の記載番号が若いほど、× を受けやすいと思われる。しかし鬼丸・山本の両氏は、特異的に「× 率」が低い。意図的に × 印を付けなかった人が多数いたことになる。
即ち、『鬼丸・山本』両氏を積極的に信任した人たちが多数いた事が証明される。
鬼丸かおる・山本庸幸の両氏は、『現状の1票の格差』を違憲と見做した裁判官である。
この人たちを信任しているが、信任投票で〇を付ける事が出来ないので「他の人に × 」を付けて意思表示をしたのである。はなはだ回りくどく、分かりにくい仕組みにされている。
信任投票であるから、素直に「信任する人に〇印を記入するシステム」に直せば、単純明快な良い制度になるのである。
しかし日本国は『最高裁判事信任投票』を現状の劣悪な制度設計のまま長年にわたり放置し、「国民審査」と呼称して不信任者に× を与える『不信任投票』方式を堅持し続けているのである。誠に残念である。慨嘆久し。
以上
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