日本国政府の借金は、2012年度末には1000兆円を超えるかもしれない。たとえこの法案が成立し、消費税率が10%になったとしても、1000兆円の借金に比べれば税収増は微々たるものである。こんな些細なことに『政治生命』を懸けず、税制の抜本改革にこそ『政治生命』を懸けて取り組んでほしいと思っている。
私がここで説明したいのは、下記の2項目である。
- 国家財政の現状
- 税制の抜本的再検討
年度 税収等 国債等借金 一般会計総額
H22 47.0兆円 44.3兆円 92.3兆円 当初予算
H23 48.1 42.3 92.4 当初予算
H24 46.1 44.2 90.3 政府案
毎年の税収と国債発行による借金が略同額であり、国債による借金約44兆円が毎年度積算されてゆく。これは我々の債務というよりも、少子高齢化で今後減少してゆくと思われる日本国の子孫たちの債務となって累積される。
野田総理が政治生命をかけて法案を通し、消費税率を5%から10%に上げてみても税収増は高々13兆円程度である。この金額は、これからの国債発行額が若干減る程度の話で、現在の1000兆円の借金が減らせる可能性は全くない。
Aランク以上の世界各国の国債。
- AAA 英・独・仏・スイス・カナダ・オーストラリア
- AA+ 米・ベルギー
- AA カタール・スロベニア
- AA- 日・中・台・クウェート・サウジアラビア
- A+ スペイン・イタリア・チリ
- A アイルランド.韓国
- A- ポルトガル
- ①日本 200%
- ②ギリシャ 150%
- ③イタリア 125%
- ④フランス 95%
- ⑤米国 95%
税制は、『税制調査会』の答申を受けて政府が決めるのである。ただし『税制調査会』は、政府内閣府内の『税制調査会』と、民主党『税制調査会』の2つが並立している。これらの「税調」は、税制の抜本的再検討を行う気配は全くない。ともかく当面の話が最優先である。何らかの理屈で課税を始めた既得権益は、金輪際手放す気は無いらしい。揮発油税・自動車取得税・軽油取引税・自動車重量税・消費税と、自動車にはやたらに沢山の税金が用意されている。
道路特定財源での高速道路の建設は、もう不要である。道路建設以外で景気浮揚策を考える必要がある。
昨今の官僚と政治家は、とにかく横着になってしまった。取り易い所から取り易い方法で課税徴収する事しか考えていない。これは根本的な大間違いである。
たとえ手間暇かかっても、担税能力のある処から、担税能力に応じて公平・平等に課税するのが本道である。政党交付金を廃止し、政治団体・宗教法人に公平・平等に課税しなければならない。『政治団体』・『宗教法人』を非課税にする根拠は全くない。
憲法第十四条
1 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
憲法第二十条
信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も国から特権を受け、又は政治上の特権を行使してはならない。
以上は憲法上の規定である。ところが昭和26年(1951年)宗教法人法が制定され、宗教法人は公益法人とされている。営利を目的としない公益法人は非課税である。なぜ非課税にするのか、ここのところが全く分からない。
宗教の礼拝設備や境内は、宗教法人が管理し、収益を得る場所である。宗教法人が固定資産税を負担するのは当然である。お布施・拝観料やお守り・イコン等の売り上げ・・・は当然課税対象だろう。僧・神官・神父・牧師・たちは、各種お布施等により生計を営み職責を全うできている。これは職業に対する正当な収入であり当然所得税の課税対象である。また入場料やお守り・お札の売り上げに対しては、消費税納入の義務を負うべきである。
消費税率10%もいいだろう。ただし物品税方式にして、生活必需品は無税、贅沢品は20~50%あるいはそれ以上も有っていい。複雑怪奇な酒税も、もっと単純にすべきだろう。
景気浮揚対策をしっかりやり、税制の大改革を断行し、一般会計が税収だけで賄えるようにしないと、日本国は破滅の道を歩むことになる。すでに示しているように、破滅傾向はギリシャを凌いで世界中で日本がワースト1である。
日本の人口が現在の半分6000万人になるのは、2075年頃である。税制大改革が行われない限り、この頃の日本国政府の国債累積額は4000兆円程度になってしまう。我々の子孫は『一人当たり6,700万円程度の借金を背負い込む』ことになっている。こんな事に対して、官僚や政治家が平然として居られるのが不思議である。
以上
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