2019年4月21日日曜日

第85話 日本国の憲法

5月3日は、『憲法記念日』として 国民の休日ときめられている。
「祝日法:昭和23年7月30日法律第178号」で定めており、『日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する』ことを 趣旨としている。
ここで言う『日本国憲法』とは、現憲法の事である。
現憲法は、1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行された。

これ以前の憲法は『大日本帝国憲法』であった。1890年2月11日公布、1890年11月29日施行された。
半世紀以上の間、一度も改正されることは なかった。

日本で最初の憲法を定めたのは、推古天皇(女帝)13年(西暦605年)である。
但し、成立時期などについては 諸説がある。
聖徳太子と共に「十七条の憲法」を定めた。

『十七条 憲法』として、有名である。
この憲法を、一応 我々現代人が 読めるような形に書き直してみる。

第1条
 和を以って、貴(とうとし)となす。・・・
第2条
 仏・法・僧 を敬え。・・・
第3条
 詔(みことのり)を承りては、必ず謹(つつし)め。・・・
第4条
  群臣百寮(まえつきみたちつかさつかさ)、礼を以って本とせよ。・・・
第5条
 饗を絶ち欲することを棄て、明に訴訟を弁(さだ)めよ。・・・
第6条
 悪しきを懲らし善(ほまれ)を勧むるは、古の良き典(のり)なり。・・・
第7条
 人各(おのおの)任(よさ)有り。・・・
第8条
 群卿百寮、早朝 晏(おそく)退でよ。・・・
第9条
 信は、是 義の本なり。・・・
第10条
 忿(こころのいかり)を絶ちて、瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違うことを怒らざれ。人皆心あり。心おのおのの執れることあり。かれ是とすれば、われ非とす。
われ是とすれば、かれ非とす。われ必ずしも聖にあらず。・・・
第11条
 功と過(あやまち)を明らかに察(み)て、賞罰を必ず当てよ。・・・
第12条
 国司(くにのみこともち)・国造(くにのみやつこ)、百姓(おおみたから)に収斂することなかれ。国に二君非(な)く、民に両主無し、率土(くにのうち)の兆民(おおみたから)、王(きみ)を以って主となす。・・・
第13条
 諸の官に任せる者は、同じく職掌を知れ。・・・
第14条
 群臣百寮、嫉み妬むこと 有ること無かれ。・・・
第15条
 私を背きて公に向くは、是 臣が道なり。・・・
第16条
 民を使うに時を持ってするは、古の良き典なり。・・・
第17条
 夫れ事独り断むべからず。必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)ふべし。・・・

この憲法を、現代風に解釈すれば 『国家公務員 服務規定』である。
これは西暦605年に定められた,『国家公務員 服務規定』であるが、現代でも立派に適用できる服務規定である。
日本最古の『国家公務員 服務規定』を現代に生かし、『現在の国家公務員』も是を拳々服膺(けんけんふくよう:心に銘記する)して、日本国の政治に生かして頂きたい。


十七条憲法』に基づく国家公務員 服務規程』西暦605年制定

第1条で、平和憲法を宣言。
第2条、信教の自由。
第3条、詔(みことのり)は、謹んで承る。
第4条、『国家公務員』は、礼儀を基本とする。
第5条、国家公務員』は、饗を絶ち 欲を棄て 訴訟を明にせよ。
第6条、「勧善懲悪」は、古くからの良俗。
第7条、人にはそれぞれ良さがある。各個人の「人格宣言」と」生存権の保証。
第8条、『国家公務員』は、早朝出勤・遅く退出を義務として規定。
第9条、信用は 義の根本である。
第10条、心底から 怒りを棄て 聖人面(せいじんずら)をしない
第11条、信賞必罰のけじめ。
第12条、国家第一主義。
第13条、部下を持つものは、部下の職掌を熟知しておく。
第14条、嫉み妬み(ねたみそねみ)を無くす。
第15条、「国家公務員」は、日本国に尽くす。
第16条。「民を使うに時を以てする」は、現代では判り辛いが 『農繁期を避ける』と言う    意味である。
第17条,『万機公論に決すべし』。

以上








2019年4月14日日曜日

第84話 日本国憲法の矛盾


現行の『日本国憲法』は、1946113日公布され、194753日に施行された。

法令番号は、無い。

前文の『主権在民』の主張に異論はないが、前文後半はひたすら『哀愁に満ちた平和願望』を「クドクド」と述べているに過ぎず、全く同感できない。

世界各国は、『自国・自国民の存亡』を懸けて、『自国第1主義』を 貫き通しているのである。我が日本国も、当然ながら 世界各国の例外ではないと、私は 固く信じ込んでいる。



1.天皇の地位

憲法第1条が、天皇の地位の規定である。

「『日本国の象徴』・『日本国民統合の象徴』である。」、と規定している。  即ち、『象徴』の『地位』を与えている。天皇陛下は、「『象徴』の地位について 日頃から熟慮され、どんな行動や 仕事を果たすべきか」をご考慮賜っていたように、御見受けしていました。

Ø  天皇賜杯 の下賜

  団体名            下賜        授与の対象

公益財団法人 日本相撲協会    1926年  大相撲本場所 最高優勝力士
公益財団法人 日本サッカー協会  1948年  天皇杯全日本サッカー優勝チーム
公益財団法人 日本スポーツ協会  1948年  国体の総合成績第1位の都道府県
公益財団法人 日本卓球協会    1948年  全日本卓球選手権大会 男子シングル優勝者
公益財団法人 バレーボール協会  1950年  全日本バレーボール選手権 男子優勝チーム
公益財団法人 全日本柔道連盟   1950年  全日本柔道選手権大会優勝者
公益財団法人 全日本剣道連盟   1958年  全日本剣道選手権大会優勝者

公益財団法人 全日本弓道連盟   1958年  全日本弓道選手権大会優勝者

女子チームの場合は、皇后杯の下賜が定められている場合が多い。

2 .戦争放棄

憲法第9条が『戦争放棄』である。
①…国権の発動たる戦争と『武力の行使』は、…永久にこれを放棄する。
②…陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

自衛隊法は、1954年(西暦)69日法律第165号として実施されている。
日本国の自衛隊法第87では、『武器の保有』を認めている。多分戦力にはならない程度の「武器」なのであろう。
例えそれが米国から現に輸入し 今後も増強予定の、 最新鋭のステルス戦闘機F35A or F35B』などであったとしても、憲法で言う戦力には該当しない武器になる筈である。

今や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の時代であるから、ICBMを保持しない限り 戦力とは言えないのだろうと思う。
日本国の自衛隊は、『核兵器』や『ICBM』を未だ保有してはいない。

自衛隊法第88では、武力の行使を認めている。
…出動を命じられた自衛隊は、我が国を防衛するため、『必要な武力を行使』することができる。
出動命令は、総理大臣が命令する筈である。

3 .基本的人権

憲法第11 14 で、『基本的人権の平等』を規定している。
憲法が保障する基本的人権は、永久の権利として 現在および将来の国民に与えられる。

①すべて国民は、法の下に平等であって、人種・信条・性別・社会的身分又は門地により…差別されない。
②華族その他の「貴族の制度」は、これを認めない。
③栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。1代限りの栄典である。

皇室典範(1947年:西暦)53日施行された法律第3号では、皇位継承資格は、『皇統に属する男系男子のみ』としている。

日本の歴史では、推古天皇592628年:西暦)を最初として、810代の女性天皇 がおられた。但しいずれも「男系の女性天皇」ではあった。
明治維新以降、突如として「女性天皇」を拒否したのである。
誰が 如何なる根拠で決定したのか、私は詳細不明で 全く不可解な思いである。

素晴らしい『日本国の歴史』を、絶対に忘却する訳にはいかない。
推古天皇が遣隋使に持たせた、隋の「煬帝」宛ての国書が 小気味良い。
『日出處天子致書日没處天子無恙云云』。
これを見た「煬帝」は、立腹した。倭王が、天子を名乗ったからである。
今にして思えば、『その倭王』が まさか極東で初めての女帝であったと知っていたならば、「煬帝」が幾層倍「オッタマゲタ」か 想像してみるだけでも、楽しいものである。

皇室典範では、『何故女性天皇を拒否』するのか、私には全く納得できない話である。
皇室典範は、『基本的人権の平等』と全く矛盾していると、私には考えられます。

この点では、イギリス王室が羨ましい。
ウィンザー朝 4代エリザベス女王陛下92歳)が君主である。
チャールズ皇太子(70歳)が、プリンス オブ ウェールズ である。

北欧の マルグレーテ1 も記憶にとどめておきたい女傑である。
マルグレーテ1世は、1353 デンマーク国王のヴァルデマー4世の次女として生まれた。
10歳の時、ノールウェー国王 ホーコン6 世に嫁いだ。
ノールウェー国王ヴァルデマー4世が急逝したが、後継ぎがなくて マルグレーテ1世は、北欧連合王国の 実質的支配者となった。

女王にはならなかったが 、デンマーク摂政(13871412年)・ノールウェー摂政(13801412年)と「デンマーク・ノールウェー・スウェーデン」の3国同盟を支配した 女傑 である。

以上





2019年4月5日金曜日

第 83 話 元号の話

世界で最初に元号を使用したのは、中国である。
紀元前 140年(西暦)、前漢の武帝が「建元」の元号を用いたのが嚆矢(こうし)である。
武帝は紀元前 87年までの間に、各2文字の11ヶの元号を使用した。
2~6年の短期間に 改元を繰り返しているが、理由は良く判らない。

魏・蜀・呉 の三国時代(220~280年:西暦)に入っても、元号の使用は それぞれの各国で継承されている。

朝鮮半島での元号使用は、半島が中国の「冊封体制」に入っていた期間が多く,独自の元号使用は多くはないが、程々に元号使用はなされていた様である。
高句麗では、「永楽:391―412年(西暦)・延寿:451年(西暦)」が使用された。
新羅では、「建元:536―551年(西暦)・開国551―568年(西暦)」がある。

日本では、第35代皇極天皇(女帝)が、645年(西暦)『大化:たいか』の元号を用いられたのが初めてである。
皇極天皇は、第37代斉明天皇を重祚されている。

奈良時代には、「天平感宝・天平宝字」などの4文字元号も存在したが、それ以外は2文字が原則となっている。
初期の頃は、32年間『元号なし』・15年間『元号なし』も存在していた。
日本には「南北朝時代」56年間があり、その分だけ「元号の数」が多くなっていると推定される。
平成までの元号の総数』は 247 である。

平成 31年4月1日(西暦2019年)、菅 官房長官が 新元号『令和:れいわ』を発表したので、本年5月1日から 日本国の「元号総数」は 248 となる。
新元号の出典は、万葉集 との由で、全く嬉しい限りである。

新元号は、「有識者」により検討されたとのことである。
この文明国の我が日本に、未だに『無識者』が多数存在しているとは全く考えられない。
怒り心頭に発するが、全ての『激情』をひとまず呑み込んで、先ずは「有識者」を『著名人』と読み替えて置くことにする。

この様な険悪な議論を巻き起こした根本原因は、『有無』の問題を取り扱ったからである。
有識者」ではなく、『識者』・『賢者』の話にして置けば良かったのかも知れない。
話はし方で、どの様にでも変化する。

本論に戻り、以下に日本国の元号 248 を列挙する。(中間部 省略)

元号名
期 間(西暦)
年数
天皇
摘要
漢字
読み
開始
終了



大化
たいか
645/07/11
650/03/22
6
孝徳

白雉
はくち
650/03/22
654/11/24
5
孝徳
白雉 献上

654/11/24
686/08/14
32
天皇崩御
朱鳥
しゅちょう
686/08/14
686/10/01
1
天武


686/10/01
701/05/03
15
天皇崩御
大宝
たいほう
701/05/03
704/06/16
4
文武
対馬から金
慶雲
けいうん
704/06/16
708/02/07
5
文武
元明天皇
和銅
わどう
708/02/07
715/10/03
8
元明
武蔵国
霊亀
れいき
715/10/03
717/12/24
3
元正

養老
ようろう
717/12/24
724/03/03
8
元正

神亀
じんき
724/03/03
729/09/02
6
聖武

天平
てんぴょう
729/09/02
749/08/19
21
聖武

天平
感宝
てんぴょう
かんぽう
749/05/04
749/08/19
1
聖武

天平
勝宝
てんぴょう
しょうほう
749/08/19
757/09/06
9
孝謙

天平
宝字
てんぴょう
ほうじ
757/09/06
765/02/01
9
淳仁

天平
神護
てんぴょう
じんご
765/02/01
767/09/13
3
称徳

神護
景雲
じんご
けいうん
767/09/13
770/10/23
4
称徳

宝亀
ほうき
770/10/23
781/01/30
12
光仁

天応
てんおう
781/01/30
782/09/30
2
光仁
桓武天皇
延暦
えんりゃく
782/09/30
806/06/08
25
桓武

大同
だいどう
806/06/08
810/10/20
5
平城

弘仁
こうにん
810/10/20
824/02/08
15
嵯峨

天長
てんちょう
824/02/08
834/02/14
11
淳和

承和
じょうわ
834/02/14
848/07/16
15
仁明

嘉祥
かしょう
848/07/16
851/06/01
4
仁明
文徳天皇
仁寿
にんじゅ
851/06/01
854/12/23
4
文徳










省 略











明治
めいじ
1868/01/25
1912/07/29
45
明治

大正
たいしょう
1912/07/29
1926/12/24
15
大正

昭和
しょうわ
1926/12/25
1989/01/07
64
昭和

平成
へいせい
1989/01/08
2019/04/30
31
今上
予定
令和
れいわ
2019/05/01



推定















以上