世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。東の方から移動してきた人々は、「シンアル」の地に平野を見つけ、そこに住み着いた。彼らは、「れんがを作り、それをよく焼こう」と話しあった。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。彼らは「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして全地に散らされることの無いようにしよう」と言った。
主は降ってきて、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。
「彼らは一つの民で、みな一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」
主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。こうゆうわけで、この町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。
神は、随分と意地悪なことをなされたものである。バベルの町や塔は、未完のまま放擲され、人類は言葉が混乱したまま全世界に散らばってしまった。
「シンアルの地」とは「シュメール」の事であり、現在のイラクのチグリス川・ユーフラテス川流域の平野である。古代都市バビロンのあったメソポタミア辺りと想定される。
吾ら日本人は極東の果てまで散らかされてしまった。言語は混乱(バラル)の果て日本語を使用している。日本人は日本語で書かれた現「日本国憲法」を守って、70年間平和に暮らしてきた。
現憲法は、現存する世界各国の『改定されていない憲法』としては世界最古の憲法の栄誉を担っている。
日本の憲法では、日本語を公用語とするとは規定していない。裁判所法第74条で『裁判所では日本語を用いる。』と定めているだけである。
その日本人達が、本州の北の果てあたりで『バベルの塔』を造り始めたのである。
その地は、青森県上北郡六ヶ所村である。現代のバベルの塔の正式名称は『六ヶ所村・核燃料再処理工場』と言う。
1993年着工し、当初の計画では2009年2月完成予定であった。『以降二十数回の完成予定日の変更』を繰り返してきた。現在は2018年度完成予定としているが、全く信用できない。
当初予算は8千億円程度だったが、既に2兆2千億円を投資してしまった。
私は、核燃料再処理工場は即刻『中止すべきプロジェクト』だと確信している。
国会議員の中で強力に中止を提言する人は少なく、極めて残念である。
再処理による『プルトニウムの抽出・貯蔵』は最悪の行為である。
諸外国は『プルトニウムの抽出・貯蔵』を『核兵器製造』の第1歩と看做してしまう。
極めて危険で、全く無意味な国費の浪費である。
原子力発電所用核燃料の低濃縮ウランは、高性能遠心分離機で十分安価に簡単に製造できる。敢て再処理までして、燃え残りの濃縮ウランを掻き集める必要性は存在しない。
核燃料再処理工場の所有者は、日本原燃株式会社(JFNL)である。JFNLは日本の国策会社で、主要株主は国内の電力会社である。
JNFLの費用は、我々が支払う電力料金の1部から賄われている。
JFNLの主要事業は、下記である。
- ウラン濃縮事業。遠心分離法。
- 各原子力発電所から出る「低レベル放射性廃棄物」の埋設処理。
- 高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵。
- 使用済み核燃料・再処理事業(核燃料再処理工場)
- ウラン・プルトニウム混合核燃料の製造事業
「核燃料再処理工場」を廃止しても、六ヶ所村には下記のような事業は存続しており、当地での雇用は当面確保される。大きな問題は回避できると推察する。
- 低レベル放射性廃棄物埋設センター(JFNL)
- 高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)中間貯蔵(JFNL)
- ウラン濃縮(JFNL)
- 国際核融合エネルギー研究センター
- 原子力安全技術センター・防災技術センター
- むつ小川原ウインドファーム
- 六ヶ所村風力発電所
- 二又風力発電所
- むつ小川原国家石油備蓄基地
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿