2020年6月23日火曜日

第93話 囲碁の話

1.用具

 (1)碁盤 木製の盤面上に、縦と横の19本の黒線が引かれている。
        材質は榧木(かやのき)が最良である。
        北米産の「スプルス」材は、廉価品としてよく使用される。
        四方柾目(しほうまさめ)が最良である。
       4 本の脚は、「くちなし」の実の形である。『四方に口出しなし』の意。
        盤面の縦 45.5㎝ ・横 42.4㎝
       厚さは、厚いほど高価である。
 (2)碁笥(ごけ:碁石入れ)
       白石用と黒石用で一組となる。
       黒石:181   白石:180
       181 + 180 = 361    :碁盤上に石の置ける総数である。
       材質は、桜・欅(ケヤキ)・花梨(カリン)・栗などである。
 (3)碁石
         白石        黒石
   直径    21.9 ㎜      22.2 ㎜
   厚さ    6  ㎜ ~ 14 ㎜ 号数で表示。
         25号 約 7㎜   40号 約 11㎜
         昔は3分3厘(10 ㎜)が最高級とされていました。
   材質    白石 日向(九州:宮崎県)の蛤の貝殻が最高級。
         黒石 那智黒石(和歌山県東牟婁(ひがしむろ)郡)勝浦町:
            「新第三期中新世」の黒い粘板岩。

2.ルール 等

  現在 互先の場合、黒番が白番に6目半の「こみだし」を行う。
     置き碁の場合、黒番が白番に半目の「こみだし」を行う。

3.歴史

発祥は中国と考えられ、2千年以上前から、東アジアを中心に親しまれてきた。
日本では、平安時代(794 ~ 1192年)から親しまれ、『枕草子』・『源氏物語』にも「囲碁」の話がある。

『大宝律令』は、701年に制定された「日本の法律」である。
702年文武天皇(第42代)は、『大宝律令』を日本国内に頒布(はんぷ)した。
『大宝律令』では、スゴロク・バクチは禁止だが、「碁・琴」は禁止しないと決めている。

奈良の東大寺の『正倉院』には、第45代聖武天皇(在位期間:724~749年)の遺品の中に「碁盤3面」・「碁石2組」が保存されている。

江戸時代(1603 ~ 1868年)には、「本因坊家」・「井上家」・「安井家」・「林家」の  4 家が、碁の家元とていた。4家は幕府から扶持を与えられていた。
年1回江戸城内で、『お城碁』が行われた。
4家が各々代表数人を選んで、『お城碁』に臨んだ。

『お城碁』で「19戦19勝」の無敗記録を作った人が居ます。
『本因坊秀策』(1829~1862年)です。若干32歳の若さで病死した。

1862年江戸で「コレラ」の大流行があり、本因坊家内にも患者が続出した。
周囲の制止にも拘らず本因坊秀策は、患者の看護に奔走し 残念ながら当人も感染し、他界した。

本因坊秀策は、瀬戸内海「因島:いんのしま:広島県尾道市に属する島」で生まれ、父が備後三原城主の家臣の家柄で、本因坊家相続には逡巡が有った様です。

1662年、「囲碁」・「将棋」が江戸幕府『寺社奉行』の管轄に置かれた。
1668年、幕府が『安井算知』を「碁所」に任命した。

『碁所』とは、定員1名(空席の時もある)で『50石20人扶持』。
「碁所」就任者

安井算知   1668 ~  1676年 8年
本因坊道策  1677    ~  1702年 25年  抜群に強かった。
井上道節因碩 1710 ~ 1719年 9年
本因坊道知  1721 ~ 1727年 6年
本因坊察元  1770 ~ 1788年 18年
本因坊丈和  1831 ~ 1839年 8年
                    明治元年は、1868年。

4.現在の囲碁界

公益財団法人日本棋院』と『一般財団法人関西棋院』とがある。
各々段級位の囲碁免状を発行している。
私は、「日本棋院」の「段級位認定大会」で優勝を重ね、「アマ4段の免状」を獲得した。1975年10月である。

現在(2020年6月23日)の日本棋院の、『7大タイトル』は、下記である。


  棋聖    井山裕太 (30歳) 8連覇
  名人    芝野虎丸 (20歳)
  本因坊   本因坊文裕     8連覇 井山裕太のこと。 
  王座    芝野虎丸 (20歳)
  天元    井山裕太      5連覇
  碁聖    羽根直樹 (43歳)
  十段    村川大介 (29歳)
以上

5.囲碁の『国際大会』

 (1)テレビ囲碁アジア選手権
   主催 NHK・KBS(韓国放送公社)・CCTV(中国中央電視台)
   優勝賞金 250万円
   開催地は、3社が持ち回り。
   1手30秒の30秒読み。1分単位で合計10分の考慮時間。

   日本人優勝者
   
   第1~ 4回(1989 ~ 1992年)  武宮正樹
   第5回(1993年)          依田紀基
   第6回(1994年)          大竹英雄
   第10回・11回(1998・1999年)    依田紀基
   第17回(2005年)          張栩
   第25回(2013年)          井山裕太

 (2)SENKO CUP ワールド碁女流最強戦
   主催   日本棋院
   後援   日本経済新聞社、 「囲碁・将棋チャンネル」(株)
   特別協賛 センコーグループホールディングス
   協賛   旭化成、積水ハウス、積水化学工業
   協力   日本航空
   有償賞金 1000万円
   日本(4)・中国(1)・韓国(1)・中華台北(1)・欧州代表(1)
   ()内数値は、参加人数。

   第1回(2018年)優勝   於之瑩(よしょう)6段(中国)
   於之瑩6段は、1997年生まれ 現在(2020年)23歳である。
 
 (3)応昌期杯 世界プロ囲碁選手権戦  
  •  主催   応昌期囲棋教育基金会
  •  賞金   優勝40万米ドル  準優勝10万米ドル
  •  台湾の応昌期氏が、、私財を提供して設立た。
  •  日本・韓国・中国・台湾・米国・欧州などから、主催者の招待で選抜。
  •  4年に1度、「オリンピックの年」に実施。
  •  1989年から開始。2016年の8回まで、日本人優勝者はいない。
  •  1993年大竹英雄氏が準優勝。1996年依田紀基氏が準優勝。

  • 以上
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